「精進の人」

随分長く、角さんのうつわをみている。
ここ20年、極端には作風が変わったりしない。
それでも私は知っている。
たゆまぬ努力が小さな小皿や湯呑みの質感に如実でていることを。

個展時に搬入した大きなダンボールの中、
たっぷりの梱包材に包まれたうつわたちを一目でも早くと、もどかしいおもいで解く。
「また良くなっている…」
凄いなぁ。
全く参る。

例えていうなら焼菓子のような…。
手に触れて「ふむ、ちょっとこれなんか違う」
口に入れて噛む、噛み応えが違う。
ひろがる風味が違う。
パッと見分かりづらいが一度で虜になる
それが角りわ子さんのクッキー、いやいやうつわ。

 

 

そういえば純文学作家.水上勉先生の御本に、
先生が角さんのことを「精進の人」と紹介していた文があった。
(まだ水上先生がご存命の頃、角さんは陶芸の傍、
先生の一番近くで秘書的な仕事もしていた)

今も昔も変わらず角りわ子さんは精進の人、
いつでももっと、もっと、と自分を高め、
照れ隠しのように楽しいお喋りで煙に巻く。

そんな角さんの作品を萬器で展示できることが有難い。
9月13日迄の会期、どうぞお出かけ下さい。

 

久保田真弓