インド 真木テキスタイル工房を訪ねて

今年の8月。私たちはインドへ旅してきました。
それは今年の2月に完成したばかりの「真木テキスタイルganga工房」を訪ねるためです。

12月8日から始まる「真木テキスタイル展」に寄せて、旅の様子を皆さまに伝えたいと思います。
少し長いですがお付き合いください。

 

日本から約9時間、ヒマラヤ山麓のなだらかな山裾にある「真木テキスタイルganga工房」。
竹のゲートをくぐり抜けるとそれは美しい場所が広がっていた。

 

全て手作業で作られた建物。

不規則に美しく敷き詰められた石畳、柔らかな光を取り入れる大理石の天井や壁、
シンプルな木の家具、素朴な籠たち、レンガの塀、漆喰の壁、全てが手作りだ。

インドの壮大な自然の中に何の違和感もなく溶け込んで、
凛とした空気と穏やかな時間がそこには流れていた。

聞こえてくるのは、鳥や虫の声と、機織りの音、そして笑い声。
解放されたリビングには優しい風が通り抜けて、
私たちは気づいたら何度も「気持ちいい…」と口にしていた。

 

50人程のスタッフがこの場所で働いている。

糸紡ぎ、糸巻き、機織り、縫製、染色…ほかにもまだまだ細かい作業も含めると、
一枚の布が出来上がるまでに本当に数多くの工程がある。

素材を選び、色を選び、どのようなデザインで織っていくか、
そのひとつひとつを真木さんが職人さんに伝える。

日本人とインド人、言葉も宗教も暮らし方も全く違う彼らと解り合うのはきっと難しい。
まして作るものは織物、とても繊細なもの。
細かなニュアンスまでも伝えて織ってもらうまでにどれくらいの苦労があっただろう。

でも真木さんは無理強いはしない。

作り手の個性と糸の個性をじっくり見つめて、信じ続ける。
そしていつの間にか通じ合うようになるのだ。

どこまでも真木さんらしく自然な方法だと思った。

ganga工房のスタッフはみんな自信をもって、のびのびと仕事をしていた。

 

真木さんは本当に糸が好きだ。

働きものの真木さんは手は、優しく優しく糸に触れる。布に触れる。
糸への愛しさが全身に溢れて伝わってくる。

インドを愛し、人を信じ
糸を愛し、糸の力を信じる。

本当に好きな場所で、心から好きなことをしている。

真木さんにとってこれは生きるすべてだ。

だから真木さんは体中からエネルギーが満ち溢れていて、いつでも太陽みたいに輝いているのだ。

真木テキスタイルの布が人の心を震わせる理由がわかった気がした。

 

私たちはインド滞在中、3食も工房の食事を頂いた。

専属のシェフが作るインド料理。
目にも美しく、とにかくどれを食べても美味しくて…
心までも充たされる素晴らしい料理でした。

みんなで食卓を囲んでお喋りをしながら楽しい時間。
この時間もインドの風が体に触れてくる。
なんて贅沢なんだろう。

私は何度も幸せを噛み締めた。

 

最終日、フライトまで少し時間ができたので、真木さんと工房長のラケッシュが工房近所の商店街まで連れて行ってくれた。

宝探しのようにわくわくする。

インドの食器や、素朴な文房具、なぞのお菓子?など、みんなでわいわいショッピング。
お茶目で無邪気な真木さんの日常が垣間見れた気がして嬉しかった。

 

気づいたら日本の季節は冬。
冷たく乾いた風を毎日感じているけど、いまだにインドの生温かい空気と独特の匂いが忘れられません。

美しい自然の中に佇む工房、そこを吹き抜ける風、時折降り注ぐスコール。
機織り機の音、サモサの匂い。
いつもそばにいる犬たち、みんなの笑顔。

純粋な心で、愛情を注ぐ真木さんのまっすぐな姿。

モノが生まれる訳や時間や想いを忘れずに、
私たちが見たこの景色を心に刻み込みたいと切に思いました。

真木千秋さん、田中ぱるばさん、松浦さん、ラケッシュさん、ganga工房のスタッフの皆さん
本当にありがとうございました。

また行きます!

 

スタッフ 岡田