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7月のごあいさつ

梅雨が明けた。
7月を待たず、つるべ落としの様に夏が来た。
じっとりとした日本独特の長雨と湿度で、庭の木々は若葉が茂り、
ただでさえ狭い庭を覆い尽くしている。

雨の降る日の外出は苦手。
さりとて用が溜まればじっとばかりしていられず、渋々傘を差す日があった。
視線を落とし、足元を気にしながら歩く。
黙々と歩くうちに不思議な心持ちになってくる。
最近会っていないあの人のこと、
悩みを打ち明けられて聞くことしかできなかった年下の友人のこと、
傘一つ分の空間の中で、グルグルと思いが廻る。

傘をたたく雨音。
伝って落ちる雨の雫。
全てが相まって雨の日はこんな時間を連れてくる。

情緒とは?
日本の四季の移り変わりのなかで、身の内側にひとつひとつ刻ざんでいくのものかも。

今朝は眩しい太陽の陽を浴びている。
通り過ぎた雨の日々が、今は大切な時間だったことを思う。

久保田 真弓