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10月のごあいさつ

最近街を歩くと感じることがある。
それは人に追い越される率が高くなったこと。
私自身、歩くスピードは速い方だと自負していたのに、だ。
男性に抜かされるはまだいいとしても、若いヒールのお嬢さんにも抜かされる始末である。
慌ててスピードを上げてみる。
気合いが入るとスピードは上がるが、
歩く姿勢が前のめり気味。
お尻が残っている。
顔が真剣過ぎる。(トホホ…)

一生懸命さなんか微塵もなくスッーと歩いていたあの頃にはもう戻れない…。

でも、今の自分だからできることもある。
それは周りに対する気遣い。
例えば
急に立ち止まったり、自分の持っている荷物幅を理解しないまま人の動きを妨げたりはしない。

しかし歳を重ねていくうちに人に対する配慮さえ薄れていったらどうしよう…。
行き交う人に微かに小突かれ、
人の波にも乗れず、呆然と立ち竦む老婆の私。
老いた自分を想像してちょっと憂鬱になる。

そしたらもうしょうがない、せめて柔らかな笑顔を作ろう。
赤や黄色の落ち葉の道をゆっくりと、
季節の移ろいを眺めながら歩こうと思う。

久保田真弓