今年はいつになく梅雨空のような天気が続いている　

それとは関係なく　筍、そら豆、山椒の実、梅、らっきょ、と
カレンダーを進めるように季節仕事は続く

とくに最近ハマっているのは山椒の実と鰻の佃煮
子供時代はピリッと舌を刺激する山椒の実は苦手だったけど、
今は苦味、渋味、辛味など癖強い系の食材が好き

大好きな鰻と山椒の実はきっと合うに違いないと自分好みに甘辛く焚いた佃煮、
やっぱり旨いなぁー

我が家の山椒の木に実はつかないと、何気なく話したら
「うちにはたくさん実がなるのよ」と、毎年いただくようになった
そうは言ってもトゲのある山椒の木から実をこそげ取る作業もかなり大変なことと恐縮し、
出来上がった佃煮はまずその方に食べていただくことにしている

作ったとしても小皿の一品
どっさり出てきたらうんざりだろうし、
毎日だったらきっと飽きてしまうだろう
季節の小皿、一品程度の仕事が性に合っている

山椒の実と甘じょっぱい鰻の風味が口の中でファーと広がる
面倒な手間をすっかり忘れ、初夏の味で満たされる夕食

　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　久保田真弓