旧板垣邸にて食事会を開催いたしました
器づかいを学びながら、
萬器がお勧めする作家の器たちを使って
美味しいプロのお料理をお楽しみいただく食事会。
今回は10/26,27の二日間にわたり、
和食 板垣さんで開催いたしました。
季節は秋から冬。
年末年始に向けても意識を運びながら、
普段の食卓での器づかいの活用術を。
我が家でもちょっと取り入れたくなる料理たちを
盛りつけのヒントと合わせて、
学んでいただきました。
オーブンウェアでもあるスリップウェアは
普段づかいの器としても重宝します。
独特の土の風合と深みが
どっしりと料理を引き立てる。
季節の葉をさらりとあしらえば美しい絵に。
食事会で度々登場する正木春蔵さんの器。
今回はここ最近ではとても珍しい、
可愛らしい色合いの小ぶりなそば猪口も登場しました。
この日のお料理は
九絵と松茸をつかった温物でしたが、
これからのお正月などには黒豆を入れても
とてもよく似合います。
正木さんの器がよく登場するのは、
オーナー自らがよく使う存在だから。
確信できるからこそ、
季節や料理やシーンが変わっても毎回お薦めできるのです。
「 磁器の色合い、質感は素直に表れます。」
「 正木さんは暮らしてきた土壌がちがう。
その違いは器に、染付という作品にあらわれ出ているのです。」
とオーナーは話します。
ハレの日もケの日も、
大切に食事をしたいと思うときこそ
正木さんの器を。
ちょっといいお肉を奮発した日、
新鮮なお魚に出会えた日。
絶妙な呉須の濃淡、筆のタッチが
美味しさに拍車をかけてくれることと思います。
サーブされる時から素敵だった
紀平佳丈さんの黒四角皿。
盛り付けられた料理を
この上なく品良く見目良く
佇ませてくれる。
微かな中央の窪みは高き意匠の証。
とてもいい仕事をします。
極限のシンプルさ。
そして極限のフラットさ。
すべては、美味しく食べるため。
漆を纏っている分、
安心してどんな料理にも合わせられます。
クリスマスにはロースト―ビーフ、
シュトーレンやケーキ皿に。
おもてなしの席の
パスタの取り分け皿にもいいですね。
器というのは、
ちょっとした発想の転換で
使い方が如何様にも楽しめます。
季節の葉を一枚、
あしらってみるだけでも劇的に変わります。
思い切って、
いつも盛り付けている量の半分にしてみる。
そうすると器の表情がよく見えて
料理そのものも引き立ってる。
これまで盛り付けたことがなかったものを
盛り付けてみる。
ちょっとした冒険心が新発見につながることも。
そんな、身近に隠れている器づかいのあれこれを
少しでも皆様と共有できれば、
器の意味も、
そこに注がれる作り手の意識も知ることができれば、
もっとお料理が楽しくなるじゃない。
食べることがもっと楽しくなるじゃない。
もっともっと、
皆様に楽しさを知ってもらいたい。
その想いから始まった食事会。
NHK「プロフェッショナル」での
誉田恒之氏の話をしていたオーナー。
7cmもの小さな球体に詰め込んだ夢の昆虫たち。
何十年もの苦境を耐え、乗り越えてでも続けてきたのは
「喜ぶ人顔が見たいから。」
器作家も同じ。
食卓を囲む人の笑顔を浮かべながら
日々土を捏ね、轆轤を回しています。
最終的にあるのは、「人」のため。
みんなが人のために動く。
素敵なスパイラル。
今回も、
満足、満腹な皆様の素敵な笑顔を拝見でき、
とても嬉しかったです。
ご参加くださいました皆様、
ありがとうございました。
【 今回登場した器 たち 】
| 正木春蔵 |
呉須染付花鳥紋六寸皿
松樹島文碗
色絵赤絵格子蕎麦猪口
色絵みこし草文蕎麦猪口
蝦紋隅入れ角小皿
| 紀平佳丈 |
黒四角皿 杉 漆
| 中川紀夫 |
押紋浅長角鉢
| 岩切秀央 |
粉引リム皿 中
粉引リム皿
粉引カップ