3月のご挨拶
三月、来たーー!
「春眠暁月を覚えず」
まったくもってその通り
外の気温と家の中の気温が絶妙にバランスがとれたとき、もう永遠にこの布団の中にいたいと思う三月
身を縮め冬を越したものだけが味わえる春の微睡だ
この時期、毎年北関東の鄙びた温泉宿に行く
ザラメのような雪が片隅に残っている冬枯れの風景だが、私は知っている
陽の当たる細い畦道に目を凝らすと
ある! ある! 『蕗のとう』
ギューッとかたまった黒土を破り、なんとも愛らしい姿発見
見つけた時はもう完全にニヤニヤ顔
時期を外せば茎を伸ばし花が咲く
大事な大事な蕾の頃が一番だから
刻んで先ずは味噌汁か、それとも5〜6個手に入ったら天ぷらを塩で…
子供の頃には口にしなかったあの苦味、エグ味
今は季節が変わるこの時期に一番最初に恋しくなる
里山から持ち帰った蕗のとう
我が家の食卓で天ぷらになる
三月の宵、蔵出し辛口の酒で『旨し!』
久保田真弓
