2月のご挨拶

冬の強い寒いの中に少しだけ温かさを含んでいたり…、
かといって一気に春というわけでもない二月

蝋梅は枯れ葉をつけたまま、その葉の下に小さな黄色い花芽で季節を告げ,
クリスマスローズはカチンコチンの土から茎を伸ばし花咲く準備に余念がない
そんなことは誰も知る由もない静かな冬枯れの庭、それが二月という月だ

三月ほどのザワメキがないから
こんな時こそ敢えて見たい展示会に足を向けよう
玄関の扉を開けるとやはり冷たい風に一瞬怯むが、
歩き初めて少し経つ頃には気持ちの良い緊張感で心が整ってくる

一人で鑑賞するってなかなかいいものだ
誰にも気をおかず、
自分の間(ま)で見進める
いつもよりずっとモノを観る感覚が研がれていく感じ

騒めきの中の孤独
人にはとても必要な時間だと思う
強い人が弱さに気づくような…
そんな時間をくれる二月

12か月 それぞれの月にちゃんと個性がある
一番苦手だった月が好きになった
  春待ち月の二月

        

                   久保田真弓