12月のごあいさつ

秋色の服に手を伸ばしてみるが
「いやいやまだ早い」だった先月。
ようやく季節が移った。

水仙の葉がねじるように庭の片隅から姿を現す頃、12月に入る。

コロナ禍も春頃から落ち着きはじめ、少しずつ日常を取り戻した
萬器のこの一年は4月に新しく入ったスタッフを合わせ現在6名になりました。

北千住店長以外、全員元お客様というありそうでない話。
唐突に『ここで働いてみない』って私に言われ、キョトンとした彼女たちの顔を今でも思い出す。これじゃ街で声掛けする怪しい人でしかなかったかも 笑

勤めが10年以上になるスタッフは3名。働きっぷりは見そめた通り全員ユウシュウ。
たぶんどこで働いても有能な人たちだ。

この仕事、もちろん資質があってのことだけど、何はともあれまず人柄。
ものを売る事が主でなく、どう伝えて何をお手伝いできるのか、
対応する姿勢さえも作品と繋がっているのだから自ずとだ。
6人いればそれぞれ個性は違う。
でも個々の中にしっかり流れている誠実な萬器魂は備わっている

もしみなさん方に居心地のよい店と感じて頂いているとしたら最高に嬉しい。

来年1月で萬器は30周年を迎える。
遠くにある美しい景色を目標にしてきたわけでなく、日々の様々な出来事をしっかり受けとめながら今日まで歩いてきた。
ふと見上げたら、
みなさんとの時間の重なりの中に美しい景色はありました。

来る年も上質で品格のある作品を届ける店であり続けたいと心から願っています  

久保田真弓